中小企業のSEOにロングテールキーワードがおすすめな理由

SEO対策の効果が現れるまでの時間は、実施してみないと分かりにくいですが、選定したSEOキーワードによってその傾向を把握することは可能です。

本記事で解説するのは、SEOキーワードの一種であるロングテールキーワードについて。

中小企業によるロングテールキーワードを活用したSEO対策に焦点を当てて解説していきます。
 

なぜ中小企業にロングテールキーワードが必要なのか？

ロングテールキーワードは、記事の話題を非常に限定できる性質があるからです。

多くの中小企業は、事業展開の範囲が限定されているため、ある特定の地域で需要が多いという特徴があります。

そのため、地域や事業内容などを限定して集客できるロングテールキーワードとは、非常に相性がいいのです。
それでは本題に入っていきましょう。
 

SEOとは

SEOとは「Search Enigine Optimization」の略称で、日本語では検索エンジンの最適化を意味します。
Googleをはじめとする検索エンジンの検索結果で、自社のサイトを上位ページに表示させることで、集客力を強化しようというのが、SEO対策の意図です。
 
SEOはさまざまな方法で対策できますが、その中で最も重要なのがSEOキーワードの選定です。
ほとんどのユーザーが、キーワードを検索してコンテンツにアクセスするため、ユーザーの需要と合致するSEOキーワードを選定することが非常に重要なのです。
 

ロングテールキーワードとは？

本記事で解説するロングテールキーワードは、SEOキーワードの一種です。
ロングテールキーワードは、Googleの検索ボリュームが少なく、複数の単語から構成されるSEOキーワードです。
スモールキーワードとも呼ばれています。
 
検索ボリュームで言うと1,000未満のSEOキーワードがロングテールキーワードに該当します。
 

他のSEOキーワードについて

先述の通りロングテールキーワードは、SEOキーワードの一種です。
他にはどのような種類があるのでしょうか？
 

①ビックキーワード

一般的に一つの単語で構成されるSEOキーワードのことを、ビックキーワードと言います。
一つの単語で構成されるため、多くのユーザーがここにアクセスしますし、競合も激しいです。
10,000件以上の検索ボリュームを有するSEOキーワードは、ここに該当します。
 
例として、「東京駅」「iPhone」「飛行機」といったキーワードがあります。
 

②ミドルキーワード

ビックキーワードとスモールキーワード（ロングテールキーワード）の中間の規模を持ち、検索件数や競合数も中間程度であるキーワードが、ミドルキーワードです。
1,000から10,000の間の検索ボリュームを持つキーワードがここに該当します。
 
ビックキーワードの例に即すならば、「東京駅　レストラン」「iPhone　2023年」「飛行機　格安」といったキーワードが、ここに該当します。
 

【注意】検索結果の件数は検索ボリュームではない

皆さんも、Googleの検索結果で検索バーと1ページ目のコンテンツの間に表示されている、約○○件という数値をご存じだと思います。
かつて私も勘違いしていましたが、これは検索ボリュームではありません。
 
検索結果に表示されているこの数値は、検索ヒット件数というもので、「検索キーワードに対して、Googleが発見したWebページの数」を表しています。
一方で検索ボリュームとは、検索エンジンでユーザーがそのキーワードを検索した回数を表しています。つまり需要の多さを表しているのです。
 
後ほど解説しますが、Googleの検索ボリュームを調べるにはツールを利用する必要があるので、この勘違いをしないように気をつけましょう。
https://webma.xscore.co.jp/study/google-search-volume/
（リンク　約60文字）
 

なぜロングテールキーワードがおすすめなのか

検索ボリュームは低いですが、多くのサイト運営者がロングテールキーワードを選ぶ理由はこれだけあります。
 

①コンバージョン率が高い

先ほど解説した３種類のSEOキーワードのうち、傾向としてロングテールキーワードのコンバージョン率が最も高いと言えます。
 
コンバージョン率とは、サイト運営側が設定した目的を、達成したユーザーの比率を表す数値です。
例えば、「ユーザーに商品を購入してもらう」ことをサイトの目標にしたとして、サイト訪問者10人のうち7人が商品を実際に購入したとしましょう。
ここでのコンバージョン率は70%(7/10*100)です。
 
ロングテールキーワードのコンバージョン率が高くなるのは、必然と言えます。
ロングテールキーワードは、キーワードが具体的に書かれているので、記事にはそのキーワードの目的を達成しようとするユーザーがより多く集まる傾向にあります。
「東京駅」というキーワードには様々な目的を持ったユーザーがアクセスしますが、「東京駅　レストラン　夜景」というキーワードに集まるユーザーの検索目的は限定的です。
 

②ユーザーの分析が容易である

①のメリットは、サイト運営者側とユーザーの両方にあります。
ロングテールキーワードは記事の目的が明確であるため、ユーザーは間違えることなく自分が欲しい情報にアクセスできますし、サイト運営側もユーザーのサイト訪問目的を分析することが容易となるでしょう。
 

③競合が少ない

ロングテールキーワードは、競合が少ない傾向にあります。
もちろん例外はありますが、多くのサイトは検索ボリュームが多い（検索需要が高い）SEOキーワードでコンテンツを作成しようとするので、ロングテールキーワードには注目が集まりにくいのです。
 
またビックキーワード一つに対して、そこに関連するロングテールキーワードは無数に存在します。
「羽田空港」というビックワードは一つですが、そこに続くキーワードは「グルメ」「ホテル」「国際線」「タクシー」などと無数に考えられます。
 
そのため、いまだに供給が足りていないロングテールキーワードは山ほど存在します。
 

中小企業は限定性を重視してSEOキーワードを決めるべき

冒頭でもお話しした通り、中小企業の強みは限定性にあります。
確かに全国を網羅しているのは大企業かもしれませんが、特定の地域に根ざしているという点では中小企業が勝ります。
 
企業がSEOキーワードを選定する場合、「企業の業種名＋地域＋特徴（安い、早いなど）」のような組み合わせを想定することが多いと思いますが、これらの組み合わせはまさしくロングテールキーワードです。
 

中小企業はむしろロングテールキーワードの方がアクセスされやすい

ビックキーワードを選定することで、山のようなアクセスを獲得する集客方法も考えるべきですが、中小企業ではやはりロングテールキーワードから集客を始める方が理にかなっていると考えています。
 
ビックキーワードの場合、中小企業のコンテンツは大企業に埋もれやすいです。
一方で、地域やサービスの特徴を付け加えたキーワードで検索をすると、徐々に中小企業のコンテンツが上位に表示され始めます。
 
「東京　ホテル」というSEOキーワードでは、東京を代表する高級ホテルや外資系ホテルが上位に名を連ねます。
しかし、「東京　ホテル　安い」といったSEOキーワードでは、安さを売りにする小規模の民宿やカプセルホテルが表示される可能性が高いです。
 
中小企業は、大企業が持っていない特徴を何かしら持っていると思います。
この特徴や長所を、SEOキーワードとして選定することで、集客力を高めることが可能です。
 

ロングテールキーワードがSEO対策に直結する

最終的には、ロングテールキーワードが中小企業のSEO対策に直結することになるでしょう。
先述の通りロングテールキーワードは、コンバージョン率が高い傾向にあります。
 
そのため、たとえアクセス数が少なくても、コンバージョン率が高かったのであれば、集客が上手くいっていると言えるでしょう。
方法次第では、ロングテールキーワードをSEO対策の根幹に据えることも可能です。
 

SEOキーワードを選定する方法

最後に、ロングテールキーワードを選定する方法について見ていきましょう。
 

①メインのSEOキーワードを決める

まずは根幹となるSEOキーワードを決めましょう。
企業であれば、自社の業種ジャンルをメインのキーワードとして設定するのがベストでしょう。
 

②メインキーワードに関連するキーワードを考える

次は、メインのSEOキーワードに関連したキーワードを洗い出します。
この段階では、とにかく自分が思いつくキーワードを洗い出していけば問題ありません。

しかし、アクセスが見込めると分かるキーワードだけを選定したい場合は、ラッコキーワードをはじめとしたツールを利用して洗い出していきましょう。
 

③優先するSEOキーワードを決める

洗い出したロングテールキーワードの中には、ほぼ検索されることがないSEOキーワードもあります。
そのため、ある程度の検索需要があるSEOキーワード順で、優先度をつける必要があるでしょう。
 
それぞれのSEOキーワードの優先順位をつける際、次のようなツールを活用しましょう。
ruri-co（ルリコ）では、選定したキーワードの検索結果URLを対象として、競合の順位と類似率が高いキーワードを調査できます。検索ボリュームも把握できます。
Googleキーワードプランナーは、広告に強いキーワード調査を行えるので、アフィリエイトやサービス販売を行うサイトにおすすめです。
Googleサーチコンソールでは、Googleでの各SEOキーワードの表示状況を把握できます。
Googleトレンドでは、現在世界中で流行となっているキーワードを調査できます。
 

まとめ

本記事では、中小企業がロングテールキーワードを利用して行うSEO戦略について解説しました。
中小企業が得意としている「地域密着」と、ロングテールキーワードが強みとする「限定性」を掛け合わせながら、SEO戦略を進めていきましょう。