インターネット上での商品販売を行う事業者が年々増えていますが、この際に重要なことが、商品のキャッチコピーを作成することです。
本記事では、商品がどんどん売れる、SEOにも強いキャッチコピーの作り方を解説します！
キャッチコピーとは何か
事実、ネットと現実どちらにも、あらゆるところにキャッチコピーがありますが、皆さんはキャッチコピーがなんだかきちんと説明できますか？
キャッチコピーとは、商品を宣伝するために作成する文章のことで、「catch（注意を引くこと）」と「copy（広告文）」を合わせた和製英語です。
いわば消費者の心を掴む文章であるため、宣伝文句とも言えますね。
キャッチコピーはなぜ重要なのか
キャッチコピーをよく耳にする方が多いと思いますが、それだけキャッチコピーは重要な宣伝方法なのです。
キャッチコピーが重要視される理由は、宣伝するにあたってこれにしか無い長所が数多くあるからです。
商品を売る際、さまざまな宣伝方法が考えられますが、商品のイメージをユーザーに持たせやすい宣伝は、キャッチコピーであると私は思います。
皆さんは、何かご存じのキャッチコピーがありますか？必ず一つくらいはあると思います。
「電車の広告で見たコピーを覚えている」という場合もあるでしょうし、「cmで流れていたので覚えている」という場合であれば、より鮮明に覚えていると思います。
抽象的になりますがキャッチコピーは、その商品の特徴を消費者に覚えさせる上で、画像や動画以上に効果的な宣伝方法なのです。
売り上げ大幅UP？成功的なキャッチコピーの数々
商品の売り上げや自社の知名度を向上させるきっかけになるキャッチコピーですが、皆さんもご存じのように、今まで日本だけを見ても非常にたくさんのキャッチコピーが世に出てきました。
この中には、会社の命運を左右した、成功的なキャッチコピーもありました。
キャッチコピーの成功例をいくつか見ていきましょう。
①そうだ 京都、行こう
JR東海が1993年に開始したキャンペーンの名称でもある、「そうだ京都、行こう」というキャッチコピー。
このキャンペーンは、平安遷都1200周年（1994年）の節目を目前とした1993年に開始しました。
京都へは、首都圏からも日帰り旅行で十分に楽しめますが、それでも新幹線往復で4時間ほどを要します。
しかしながらこのキャッチコピーが、いかにも気軽に旅行できるような雰囲気を作り出していますね。
②まずいー！もう一杯！！
1990年代に放映されたキューサイの青汁CM。
不味いと苦々しい顔をした後に、グラスを画面へと向けてもう一杯と発する八名信夫さん。当時大きな話題を呼んだCMですね。
このCMがヒットした要因は、セリフからでも十分に探ることが可能です。
青汁は不味いはずなのに、もう一杯とおかわりを求めた意外性。
この短いセリフの前後にある感情の対照性が、聞いた人に大きな印象を残す働きをしているのでしょう。
このような意外性や対照性は、キャッチコピーでも利用できるワザの一つなのです。
③ありがとう。いい薬です。
老舗医薬品メーカーである太田胃散が、何十年間もCMに利用しているキャッチコピー。
多くの人が耳にしたことあるセリフだと思いますが、このセリフにも深い意味が込められています。
まず、この「ありがとう」とは誰が誰に向けた感謝の意でしょうか？正解は会長がお客さんに向けた感謝の言葉です。「ご愛顧ありはとうございます。いい薬ですのでこれからもお使いください。」という思いを短く込めたのだそうです。
そしてもう一つ。このセリフでは言葉遊びが隠れています。正解は「いい薬」と「胃薬」。
胃腸薬を手がける太田胃散だから出来る言葉掛けではありますが、リズム感にしても非常に記憶に残りやすい単語ですね。
④すぐおいしい、すごくおいしい
日清食品が開発するチキンラーメンのCMの利用されているキャッチコピーですね。
このキャッチコピーの特徴は、語感が良く、商品のメリットを同時に訴えていることにあります。
先述の通り、語感がいいセリフは耳に残りやすいのです。
その上にこのキャッチコピーでは、商品のメリット（すぐに美味しく食べられる）が大きく訴えられているので、無駄のない添削不要なキャッチコピーだと思います。
⑤インテル 入ってる
インテルはパソコンなどに搭載されるCPUを手がける企業ですが、内部の機器であることから普通はそれほど目立つ存在では無いでしょう。（このCMで知名度は向上したと思いますが）
しかしながらこのキャッチコピーを宣伝に利用することで、「あなたのPCの動作にも、私たちの製品が貢献しています！」と高らかに主張しているのです。
やはり語感の良さが手伝って、非常に記憶に残るCMとなっています。
キャッチコピーを作る方法
ここで紹介したキャッチコピーは、どれも短いものばかりですから、なんだか自分にも作れる気がしませんか？
キャッチコピーを作る際に意識すべきことをいくつか解説していきます。
①語感の良さを意識する
必須条件ではありませんが語感の良さを意識すると、見た人の記憶に残りやすいです。また余談ですがウケを取ることもできます。これでダブルヒットですね。
上記で取り上げた語感のいいコピーと言ったら「インテル入ってる」ですが、やはりこういうのは一度聞いたら記憶に残りやすいですよね。
②商品のベネフィットを主張する
コピーでは、商品のベネフィットが主張される必要があります。
ベネフィットとは利益を意味する英単語ですが、類似した単語にメリットがありますね。どのような違いがあるのでしょうか？
自動車を例に説明していきます。
第一にメリットとは、商品の機能的な魅力を言います。自動車で言う「燃費が良い」「加速がスムーズ」「座り心地がいい」「たくさん積める」これらは、自動車のメリットです。
次にベネフィットとは、メリットを享受した結果として得られる恩恵を言います。
燃費が良いと得られる結果は、ガソリン代の節約がありますね。
たくさん積めると得られる結果は、子育てで荷物が多くても問題ないといった利益があります。
メリットとベネフィット、キャッチコピーにはどちらも採用されますが、メリットから一歩踏み込んだベネフィットが提示されたコピーを作成する方が、商品の魅力をお客さんに認識させやすいのです。
③権威性
商品に関する権威性にはどんなものがありますか？同じジャンルの商品が複数あっても、権威性が決め手となって選ばれる事例が少なくありません。
例えば、「東大医学部が認めた8時間睡眠方法」「ぐっすり眠れる8時間睡眠方法」では、より強い信ぴょう性を文面から感じられるのはどちらのコピーでしょうか？
このように、専門家や著名な賞、有名人から公認された事実があるほど、商品の権威性が高まり、ユーザーにも安心感を与えられるのです。
④数字を上手に使おう
人間は楽をしたい生き物です。商品が皆さんが楽をするのにいかに貢献できるか、を示すために、数字を上手に利用しましょう。
例えばダイエット方法であれば「1日3分で痩せられるストレッチ」というコピーを非常に魅力的に感じると思います。
他にも「1分でできる絶品チャーハン」という商品がスーパーにあれば、買ってみたいと思うでしょう。
ウソをつくのはもちろんいけませんが、利用できる数字が無いかをその商品の中から探してみるのがおすすめですよ。
⑤心理学を利用する
売れる商品に共通する特徴には何があるでしょうか？
実は売れる商品には、とある心理学が関連していることが多いのです。それが次のようなものです。
【心理学1】アンカリング効果
衣服や食料品の店舗で数多く利用されている心理学効果です。
人間は最初に見た数字を基準に、その後の数字の優劣を決めるという心理で、割引表示がまさにこれです。
割引シールやタグが貼られた弁当や衣類を見て安いと感じるのは、この心理学が関係しているのです。
もし通常価格だけが表示されていたら、ユーザーは「その商品に価格相応の価値が果たしてあるのか」を熱心に考えます。
しかしこの割引表示を利用することで、商品価値を考える時間をユーザーに与えず、購入の判断をさせることができる悪魔の心理学です。
【心理学2】バンドワゴン効果
様々な声が飛び交うカクテルパーティー会場からヒントを得た心理学効果です。
「騒がしいパーティー会場でも、自分に関係ある話はなぜか耳に入ってくる」という現象に着目した心理学です。
特定の年齢層をターゲットにした商品の場合、このターゲット層を商品説明に書くことで、狙い通りの層から注文をもらえるようになります。
レスポンス型広告【形に当てはめて使ってみよう】
ここまではキャッチコピーについて解説しましたが、これらはあくまでお客さんを惹きつけるきっかけに過ぎません。
実際に商品購入へと結びつける段階こそが、この「レスポンス型広告」です。
キャッチコピーは非常に独創的なものが多かったですが、レスポンシブ型広告には独創性はそれほど求められません。
むしろ、形そのまま広告に当てはめても良いと思います。
ジャンルやターゲット、心理学効果ごとにいくつかのテンプレートを用意しました。
皆さんの商品に相応しいものがあるか見てみましょう。
①サッカー選手がケガをした時、食べるものがこれです。
「サッカー選手がケガをした時、食べるものがこれです。」
「世界を飛び回るコンサルが体調を崩した時にするのがこれです。」
プロは、困った時にどんな解決策を立てるのか？
というのは、非常に興味がそそられる内容ではないでしょうか。
スポーツ用ゼリーや解熱剤など、スポーツ選手や忙しい人を支える商品を取り扱う企業が、使えるキャッチコピーではないでしょうか。
②あなたはキャッチコピー作りで、こんな間違いをしていませんか？
自分の行動の過ちを問いかけることで、読者に当事者意識を生み出し商品を考えてもらうきっかけになります。
「あなたはキャッチコピー作りで、こんな間違いをしていませんか？」
もしあなたがキャッチコピー作りに携わっていたら、この問いを見て少しでもヒヤッとすると思います。
そこで自分の行動を改善する手段に、商品の利用を選ばせるという手法です。
③○○の告白
週刊誌をはじめ、人々は暴露や告白に大きな注目を寄せます。
そしてこの告白する人物が、権威がある者であるほど、そのコンテンツや商品には大きな注目が集まるのです。
「日米同盟を間近で見てきたベテラン外交官の告白」
「S1首相暗殺事件に立ち会った警視庁長官の告白」
当然ですが「告白」は、広く知られていない事実を明らかにする際に使われます。
「告白」は、言葉自体が興味をそそり、その上に闇の事実が明らかにされることから、二重で注目を集めるでしょう。
④いつかFIREをしたい会社員へ
商品のターゲットに直接呼びかける手法です。
「いつかFIREをしたい会社員の君へ」この文章は、ターゲットを極限まで絞り込んだ作りとなっており、会社員と「FIREを願う人」の両方を満たす読者には強烈なインパクトを与えます。
カクテルパーティーの心理学効果を利用した文章でもありますが、この上に「いつか」という副詞が願望の実現性を高めています。
⑤ダイエットを怠けていても、効果が出る（出来る）！
一般論の逆をついたコピーです。
怠けて努力せずにいたら、何をしようにも夢や目標を実現できないというのが一般論でしょう。
しかしながらこの一般論を覆して、怠けていても効果が出るという、一見あり得ない衝撃的な結果を書くことで、読者の注目を集められます。
先述の通り、人間は楽をしたい生物です。「怠けても問題ない」という宣伝がまた注目を集めるのは言うまでも無いでしょう。
⑥不動産投資について誰もが知っておくべきこと
誰もが知っておくべきこととは、その事実が常識であると暗に主張しているわけですが、これは読者にプレッシャーをかけています。（あなたはもちろん知っているよね？）
常識を知っていないと恥ずかしいと感じる人が多いでしょう。だからこそこのタイトルには、自分の知識の正否を確認しようとする読者が飛びつくのです。
⑦平均月収10万円の国で20万円のiPhoneが売れる理由
こちらも⑤で解説したような「一般論の逆説」を利用したタイトルです。
上記のタイトルは私が考えたものですが、十分一般論の逆説を体現しているでしょう。
このテンプレートは、思いつく限りで2つのシーンで利用できると思います。
一つは高額な商品を売る時。
主力購入者層の収入とかけ離れた価格にも関わらず、売れ続けている事実をアピールできます。
もう一つは解説記事を書く時。
その商品への購買意欲は無くても、購入者の収入に見合わない高額商品が売れる理由はなんだか気になりませんか？
だからこそ、記事が読まれるきっかけとなるのではないでしょうか。
一般論の逆説を上手に利用した記事がこれです。
J1の強豪・鹿島アントラーズの強さを経営面から分析した記事で、「田舎なのに70億円も売る」という普通は考えられない鹿島のビジネスを、タイトルで強調しています。
まとめ
本記事では、商品のキャッチコピーを作る方法を解説しました。
ヒットしたコピーの中には独創的なものもたくさんありますが、ただ一つ言えるのは、どのコピーにも共通した「ヒットの方程式」が隠れていることです。
そのヒットする心理的な効果やコツを上手に利用すれば、誰でも立派なキャッチコピーを作れるのです。
試行錯誤しながら、自分の商品のキャッチコピーを作ってみましょう。
よくある質問(FAQs)
簡単にインパクトのあるキャッチコピーを作るコツは？
専門のエージェンシーを利用するメリットは、豊富な経験と専門知識に基づく高品質なコピーの提供が期待できることです。また、市場動向やターゲットオーディエンスの分析を通じて、より効果的なメッセージ戦略を立てることが可能です。エージェンシーはクリエイティブなアイデアを出し、ブランドの個性を際立たせることも得意としています。
デジタルマーケティングにおけるキャッチコピーの役割は？
デジタルマーケティングにおいて、キャッチコピーは消費者の注意を引き、興味を喚起するための重要なツールです。特にオンライン広告やソーシャルメディアでは、限られたスペースの中でいかに効果的にメッセージを伝えるかが鍵となります。
SEO（検索エンジン最適化）においても、検索キーワードを含むキャッチコピーは、より多くのトラフィックを引き寄せる効果があります。
またよむ：もう失敗しない！SEO対策会社に見積もりを出す前に知っておくべきこと
2023年の商品キャッチコピーのトレンドは何ですか？
2023年のトレンドとしては、「環境意識」や「サステナビリティ」がキーワードです。エコフレンドリーな商品やサービスに対する消費者の関心が高まっているため、これらの要素を取り入れたキャッチコピーが注目されています。また、SNSでの拡散力を考慮した短く、印象的なフレーズも流行しています
エディター
Eri Pinar による – ウェブ開発、マーケティング、オンライン、SEO。副著者 – Aoyama & Miura。
